概要
私の自衛隊での経験をについて語りたいと思います。
今回は、自衛隊に入るための試験について自分の経験を踏まえて紹介したいと思います。
はじめに
自衛隊のHPや他のブログでは掲載されていない、
少し変わった側面から私の偏見と独自の経験に基づいて、入隊の試験についてご紹介したいと思っております。
自衛隊に入ることを考えている方に対しては
ご参考に、入ることを考えていない方は面白おかしく読んでいただければと思います。
私が試験を受けたのは、6,7年前になりますので、
現在の試験とは異なるかもしれいないことをご承知おき下さい。
入隊案内
ネットなどで自衛隊から資料を取り寄せたり、
説明会などに参加すると、地方採用担当の自衛官からなりふり構わず、メールや電話が届きます。
地方採用担当は、採用のノルマが課せられているので、個人情報を渡してしまうと宗教勧誘なみにしつこく誘ってきます。
私のときも資料請求したら、
直接家に自衛隊ナンバーの緑色の乗用車でガタイのよい自衛官がやってきて、タメ口で勧誘されました。
なぜか大阪の地方担当者からもいきなり電話がかかってきました。
試験日には、
バックレ防止のためなのか、モーニングコールまでしてくれました。
よっぽど、人が足りていないのが日本の現状なのかと思われます。
自衛官候補生の試験も人を沢山とるために、
かなりザルで、人としてやばい人間がかなり自衛隊に入ってきていました。
私の部隊同期の中に
- 勉強してるのにITパスポートの試験を10回落ちるやつ
- 病院の検査で発達障害認定されたやつ
みたいな試験や面接でフィルターできそうなやつが普通にいたので、
やる気さえあれば、自衛隊は入れると思います。
試験内容
普通の一般大学卒業の方が、
陸上自衛隊に入隊しようと思ったとき候補になる試験区分について説明したいいと思います。
勘違いされる方も多いのですが、
自衛隊の幹部は、防衛大学校卒業でなくとも一般大学卒業でも試験にパスすれば幹部になれます。
技術陸曹や技術幹部などは、私も詳しくないので割愛します。
以下、大きく3つの試験について説明したいと思います。
区分と学科試験レベル
-
自衛官候補生
- 概要
任期制の自衛官で、階級なしからスタートし3ヶ月で二士に上がる。 - 試験レベル
高校入試と同じくらい - 補足
2,4,6年で任期満了金を受けとることができるが、三曹昇任試験を通過しないと強制的に退職となります。
- 概要
-
一般曹候補生
- 概要
定年まで働けることを約束されているコースです。現場レベルの自衛官で二士からスタートします。 - 試験レベル
自衛官候補生より少し難しい? - 補足
後期教育以降、自衛官候補生と一緒の扱いになりますが、階級が若干早く上がるので、自衛官候補生に対してイキリ散らかす輩が時々います。襟に桜花抄のバッヂが付くため、バッヂ付きと呼ばれます。
- 概要
-
一般幹部候補生
- 概要
いわゆる指揮官になります。小隊長クラス(数十人規模)からスタートすることができます。 - 試験レベル
地方上級公務員の同じくらい。 - 補足
試験に落ちて、一旦曹候補生などから入隊してから受け直す人は、ちらほらいます。自衛隊内部ではカンコーって呼んでいます。
- 概要
小論文
学科試験には小論文があります。
テーマは自衛隊に関するものになり、
私が受験したときは、
「チームワークに必要なものとはなにか」につい
て、原稿用紙1,2枚くらいの量を書かされました。
私の憶測になりますが、
ちゃんと指定された用紙に、半分以上文字を書くことができるかレベルでしか評価していないのではないかと思っています。
面接
学科が受かると、面接と身体検査をうけます。
受験生は一列に並ばせられて、
流れ作業で、簡単なパーテーションで区切られた空間で1:1で面接をうけます。
時間は10分くらいで、
覚えている範囲で聞かれたことは、
- 入隊動機
- 任期退職で考えているか、その理由
- 趣味
を問われました。
終始和やかで、
雑談みたいな感じで面接はおわりました。
身体検査
面接と同じ日に身体検査がありました。
身体検査では、
身長、体重、視力、聴力、尿検査、採血検査、肺活量、胸囲、腹囲、体脂肪率
など健康診断で実施される項目の検査が行われました。
ただ、病院でやる健康診断と比べて違うのは、
入り口でパンツ一枚にさせられて、10人くらいまとめて検査されました。
ここで意外だったのが、
腕立てや長距離走などの体力試験があると思ったのですが、
体力に関する試験は入隊前には全くありませんでした。
身体検査を通るためには、
規定内に体重と身長と収まっているかと、
体に入れ墨が入っていないかが検査を通るための要素になっていそうでした。
パンツ一枚で全身をくまなくチェックされるのですが、
私は、肩に怪我をしたことがありその跡が残っていたのですが、
それがタトゥーの跡と疑われて、検査官に職質なみに突っ込まれて
かなりうざかったのをまだ覚えています。
自衛隊の同期の中に、
本当にタトゥーをいれていて、入隊のために消して跡がのこっているやつはいました。
階級
以下、自衛隊の階級と私のイメージになります。
幹部試験に受かると、
陸士から入隊したときの定年階級からスタートになります。
普通の会社で考えたら、新入社員が課長やマネージャからスタートするようなものなので、おもしろいですよね。
- 2士〜士長
- 概要
現場の作業員としてひたすら単純な雑務と力仕事をさせられます。自衛官候補生・一般曹候補生はここからスタートします。士長までは入隊してから1年半ほどで自動的に階級が上がってきます。大体6年以内に3曹昇任試験に合格しないと退職になります。 - 会社での役職
バイトレベルになります。雑用ばかりですが責任の伴う仕事をすることはありません。
- 概要
- 3曹〜曹長
- 概要
現場の作業監督がメインの仕事になります。試験に合格することで昇任することができます。早い人だと入隊して2年位で昇任することができます。勤務実績と3曹教育過程での成績が昇任スピードに大きく影響します。曹長での定年退職が多いです。 - 会社での役職
平社員〜主任、係長くらいになります。定時退社がデフォルトになります。
- 概要
- 尉官
- 概要
部隊を運営していく仕事がメインになります。幹部候補生・防衛大生はここからスタートします。曹からは部内試験を合格することで幹部になることができます。中間管理職になるので曹士とは別の辛さがあります。 - 会社での役職
課長、マネージャーレベルになります。サービス残業がデフォルトになります。
- 概要
- 佐官
- 概要
50人から200人規模の部隊のトップにあたる役職になります。幹部から入った人はだいたいここで定年になる方が多いです。敬礼が挙手から頭(カシラ)の敬礼に変わります。
-会社での役職
部長、室長、ユニット長レベルになります。
- 概要
- 将補
- 概要
駐屯地のトップや管轄地域のトップレベルになります。送迎の車と門にラッパ手がついており、車が近くを通ると作業を止めて敬礼しなければなりません。
− 会社での役職
支社長、取締役レベルになります。
- 概要
私の部隊での話になりますが、
自衛隊は結局公務員なので、給料は昇任しなくても年功序列で毎年一定金額上がっていくので、
途中で幹部になろうと人は少なく、
昇任しても仕事の責任が増えるだけなので、
現状の階級を維持したいという人が多かったです。
どの試験を受けたら良いのか
どの試験区分を選んだほうが良いかについて個人的見解をお話したいと思います。
大卒の方は、自衛官として経験できることの幅を考えると、間違いなく幹部候補生が良いかと思います。
陸士の場合、受けさせてもらえる教育の種類も少なく、
レンジャーや格闘指導官、上級英語過程などは陸曹になるまで行かせてもらえないの部隊がほとんどです。また、大型免許等も1,2年目は取らせてもらえない事が多いです。
海外派遣等も陸曹以上でなければ、連れて行ってもらえることも少ないです。
幹部でなければ、飛行機やヘリの操縦士になることはできません。
初任給も5万くらい違いますし、階級が上の年下もいなくてやりやすいと思います。
幹部候補生が受けられずor落ちたで、
選択肢が自衛官候補生と一般曹候補生だったら、
自衛官候補生をおすすめします。
ほとんど、内容が変わらないにも関わらず、
自衛官候補生は、2年毎に100万近く任期満了金がもらえますし、
他の仕事をしたくなったときも、任期満了で円満に退職することができ、仕事まで斡旋してもらえます。
一般曹候補生だと定年を前提とした雇用となっているので、
辞めたくても辞めさせてもらえない事が多いです。
私のまわりで「辞めたいから相談したい」と班長に相談したら、
強制的に自衛隊の精神科病院に連行されたというエピーソドもありました。
三曹昇任試験の受かりやすさも、
受験した年によりますが、自衛官候補生のほうが合格枠が広いこともあるので、
昇進が数ヶ月早い可能性があるというくらいしか利点がないので、
一般曹候補生はあまりおすすめしないです。
おわりに
あくまで、私の経験に基づいた見解なので
間違っていることもあると思うので鵜呑みにするのは、
おやめ下さい。
過去の自衛隊編も合わせて呼んでいただけたらと思います。
■入隊編